大ヒット漫画『テルマエ・ロマエ』の著者であり、自身も大のお風呂好きという漫画家・ヤマザキマリさん。様々な国での暮らしを経て、現在イタリアに住むヤマザキさんには、お風呂への並々ならぬ熱い想いがありました。

photo_ari takagi
interview_asako saimura
edit_jun takahashi

ヤマザキさん写真01

お風呂のない海外生活で募った、
湯船への執着心。

−まずはヤマザキさんのライフスタイルについてお伺いしたいのですが、漫画『モーレツ!イタリア家族』などにも描かれていたように、昨年末もイタリアのおうちでは盛大なパーティーの準備に追われていたんですか?

ヤマザキ あれはもう毎年のことですね。大人数が集まるのでその準備をして、日本に帰ってきてからも、実家の大掃除をしたり、仕事であちこち行ったり、一つの場所でゆっくりするというようなことはありません。連載を抱えていると、何もないように見えてずっと締切のことが頭にあるから、結局365日が毎日仕事になってしまうんですよね。

−そんな多忙なヤマザキさんが、日々の暮らしで大切にされていることは何ですか?

ヤマザキ それはやっぱり、お風呂に入ることでしょうね。お風呂は1日3回くらい入っていますから。

−1日3回も!?

ヤマザキ はい。少なくとも夜寝る前と朝起きてからの2回は必ず入って、昼間、仕事に行き詰まったらお風呂。1日4回くらい入るときもあります。もちろん、シャワーだけなんて絶対に無し!湯船にお湯が無い状況だとそれだけで消沈しちゃいますね。

−ヤマザキさんはこれまで色んな国で生活をされていますが、それはどこの国でも同じですか?

ヤマザキ いえいえ、かつて住んでいたシリアやポルトガル、イタリアで最初に住んだフィレンツェの家にも湯船はありませんでしたから。元々お風呂が大好きだったのに、その時代にお風呂に入れなかった募る想いみたいなものがあって、今は好きなだけお風呂に入っているという感じですね。

ヤマザキさん

就寝前の定番バスソルト「グーテナハト」の香りを楽しむヤマザキさん。

ヤマザキさん写真02

熱い湯に短く浸かる、
江戸前な入浴スタイル。

−何か、入浴の作法やルールみたいなものはあるんですか?

ヤマザキ まず、長く浸かるということはしないですね。熱い湯に入って、3〜4分くらい考え事をして、「よし!」って気を引き締めて出てくるような感じです。仕事の合間にお風呂に入ることもすごく効果的で、目が覚めるし、リセットできるんですよね。あと、バスソルトは多めに入れますね。けっこう強烈な感じのお湯が好きで。

−気分によってバスソルトの種類を変えたりはしますか?

ヤマザキ 毎回変えていますよ。イタリアではクナイプが売られていないので、Amazonでドイツから輸入しているんですけど……(机に広げられたクナイプ製品をチェックしながら)、寝る前は絶対にこれ、グーテナハト。あとは、このレモングラス&レモンバームも気持ちが引き締まる感じがしていいです。たまにグーテエアホールングも使いますね。湿布のような匂いが好きで。

−すごい!クナイプのヘビーユーザーですね。

ヤマザキ そうなんです。クナイプは個人的に、香りに重点を置きたい時に使う入浴剤。このパイン(松の木)&モミの香り(グーテルフト)もすごく本格的で、これはヨーロッパ人も好きな香りです。この焦げ茶色のビンがまた、質実剛健なドイツらしさがあっていいんですよね。

ヤマザキさん写真03

古代から連綿と受け継がれる
効果や効能を感じる喜び。

−日々の生活の中でも、香りにはこだわっていますか?

ヤマザキ そうですね。お香を焚いたり、硫黄の匂いがするヒマラヤ岩塩を嗅いだりもします。温泉にいるようでリラックスできるんですよ。あと、うちの戸棚には何十種類というハーブティーがあって、「グーテナハト」にも入っているバレリアン(気持ちを落ち着かせる効能がある)のお茶も、寝る前に飲んだりします。やっぱりヨーロッパはハーブの文化なんですよね。私が今連載している『プリニウス』という漫画は、古代ローマの博物学者であるプリニウスを題材にしているんですが、彼が出した博物誌を読むと、2000年前から既に、薬剤としてこういったハーブが使われているんです。クナイプも、もともと神父さんが作ったものですよね?きっとこの『プリニウスの博物誌』を参考にしていると思う。そういう、古代ローマ時代から受け継がれてきたヨーロッパのハーブの歴史みたいなものを感じられるから、私はクナイプが好きなのかもしれません。

−なるほど。歴史という視点からクナイプを知るのもおもしろいですね。

ヤマザキ クナイプのいいところって、科学的ではないものに対する恩恵や敬い、“人の体は、まず地球から生まれた産物で治癒していこう”という精神性が見えるところだと思うんです。ヨーロッパの古い香りに「ミルラ」というものがあって、ローマオタクだったうちの旦那が一番最初に私にくれたプレゼントが、そのミルラの香水だったんですけど、調べてみたらものすごく古いもので、古代エジプトでミイラを作るときに使われていた香料だったらしいんです。本当に独特な香りで、そういう歴史を感じさせる匂いはおもしろいし、嗅ぐと一瞬トリップするような感覚があります。歴史好きで、且つこういう漫画を描いている私にとって、匂いは想像力を焚き付けるツールなんですよね。そんな古代の香りのバスソルトがあったらおもしろいだろうな。

ヤマザキさん

メッセージバスソルト「サクラ」の香りもお気に入りのヤマザキさん。

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バスソルトと猫でダブルの癒し効果に。

−歴史とお風呂を関連しながらバスタイムを楽しむのは、ヤマザキさんならではですね。

ヤマザキ お風呂で本を読んだり、半身浴をする人もいますけど、私にとってお風呂は、何か深い思索をするための場所ではないんです。熱い湯に短時間入って、香りに蒸されて、そこでメンタルを完全にデフォルトに戻すことで、また入ってくるものがあるというか。あ、でも猫がいる間だけは例外です。イタリアの家にいる猫は、私がお風呂に入ると風呂場に来るんですよ。お湯に手を入れてきたりするから、つい延々と一緒に遊んでしまって。あれはいいですよ、猫のかわいらしさと香りのダブルの癒し効果で、お風呂から上がった時にはすっかり柔らかい表情になってますから(笑)。

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ヤマザキさんのクナイプタイム

ヤマザキさん写真04

photo by mari yamazaki

プリニウスの博物誌とバスソルト。

プリニウスの博物誌には非科学的な面もありながら、植物や香料の持つ、身体や意識への影響が多く記載されています。そのハーブの歴史がクナイプに受け継がれていることも、クナイプが大好きな一つの理由です。

message

to family. 大切な家族へ。 Con tanto affetto. たっぷりの愛情を込めて。

favorite

ヤマザキマリさんのお気に入りクナイプ

クナイプバスソルト ユーカリの香り

クナイプ グーテナハト バスソルト

ホップ&バレリアンの香り

やすまる香りでおやすみへ

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クナイプバスソルト ユーカリの香り

クナイプ グーテルフト バスソルト

パイン<松の木>&モミの香り

森で深呼吸するようにリフレッシュ

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ヤマザキさん

Profile

漫画家。1967年東京生まれ。14歳でドイツとフランスにひとり旅。17歳で絵画の勉強のためにイタリアに渡り、フィレンツェの美術学校で11年間油絵を学ぶ。1994年息子を出産、1996年にデビュー。一時帰国し、北海道大学でイタリア語などの講師をしながら、北海道の放送局でイタリア料理の紹介や旅行レポーターなどを務める。2002年、イタリア人のベッピーノと結婚。エジプト、シリア、ポルトガル、シカゴを経て、現在イタリア在住。『テルマエ・ロマエ』(エンターブレイン)で手塚治虫文化賞短編賞を受賞。900万部のベストセラーに。ほかに『モーレツ!イタリア家族』『ルミとマヤとその周辺』(講談社)、『世界の果てでも漫画描き』(集英社)、エッセー『望遠ニッポン見聞録』『ヤマザキマリのリスボン日記』、新書スタイルの『男性論 ECCE HOMO』(文春新書)など。現在『プリニウス』(「新潮45」新潮社、とり・みき氏との共作)、『スティーブ・ジョブズ』(「KISS」講談社)ほか、連載多数。平成27年度 芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞。

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